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中型犬のペット保険を比較 — SBIと日本ペットの保険料・補償設計、12歳以降で逆転する損得計算

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中型犬を飼う飼育者が保険選びで直面する最初の疑問は、「そもそも自分の犬は中型犬扱いになるのか」という点だ。日本国内の主要ペット保険会社10社のうち、「中型犬」として独立した保険料テーブルを持つのはSBI・日本ペット・e-petの3社のみ。残り7社(アニコム・アイペット・楽天・au損保・FPC・PS保険・ペット&ファミリー)は中型犬区分を設けておらず、同じ柴犬でも保険会社によって「小型犬」の保険料が適用される場合がある。

さらにe-petは2022年秋以降、新規加入の受付を停止している(出典: https://e-pet.co.jp/)。現在、中型犬専用プランに新規加入できるのは実質SBIと日本ペットの2社に絞られている。

中型犬と保険選びのイメージ

「中型犬区分」を持たない保険会社が多い理由

日本のペット保険は、もともと小型犬・猫が加入者の中心だった歴史がある。アニコムやアイペットが保険料テーブルを「小型犬」「大型犬」の2区分で設計しているのは、この歴史的経緯の反映だ。

一方で、SBIと日本ペットが中型犬区分を導入した背景には、柴犬やコーギーなど「体重10kg前後の犬種」が近年急増している実態がある。体重15kg以上の「大型犬」とは疾患リスクが異なり、大型犬用の高い保険料では保険の利用ハードルが上がる、という判断だ。

保険会社による犬種分類の違い(参考):

保険会社柴犬(7〜11kg)の分類中型犬区分
SBImedium_dogあり
日本ペットmedium_dogあり
e-petmedium_dog(参考:新規受付停止中)あり
アニコムsmall_dog または large_dogなし
アイペットsmall_dogなし

アニコムでは柴犬が small_dog に分類される場合が多く、SBIや日本ペットの中型犬料率とは異なる保険料が設定される。同じ犬でも加入する保険会社によって、適用される料率区分が変わるため、比較する際は必ず各社の公式サイトで犬種・体重を入力した見積もりを取る必要がある。

中型犬3社の保険料テーブル(70%プラン・年齢別)

以下は、中型犬対応3社の月額保険料(70%補償プラン)の比較だ。e-petは参考値(新規受付停止中)として掲載する。

年齢SBI(月額)日本ペット(月額)e-pet(月額・参考)
0歳2,295円3,630円4,390円
3歳2,988円3,630円4,790円
5歳2,988円4,310円5,500円
8歳4,644円6,740円6,860円
10歳7,299円8,480円8,510円
12歳15,687円13,000円9,060円
15歳22,221円19,970円10,250円

出典: 各社公式サイト(2026年5月時点)

若齢期(0〜5歳)はSBIが最も安い。しかし12歳時点で日本ペットとSBIの保険料が逆転する。12歳でSBIは15,687円/月、日本ペットは13,000円/月。15歳ではSBI 22,221円に対し日本ペット 19,970円となり、シニア期は日本ペットの方が安くなる。

椎間板ヘルニア手術25万円シミュレーション(SBIvs日本ペット)

健康なコーギーの運動シーン

ダックスフンドやコーギーに好発する椎間板ヘルニア(手術費用の目安: 20〜35万円)を例に、補償額を試算する。ここでは手術費用25万円で計算する。

前提: 70%補償プラン、椎間板ヘルニア手術 250,000円

保険会社補償割合補償額自己負担年間限度額備考
SBI70%175,000円75,000円700,000円手術は年2回まで(出典: https://pethoken-torisetsu.com/company/pet-insurance-animalclub/)
日本ペット70%175,000円75,000円700,000円年間限度額内で回数・日数制限なし(出典: 公式サイト)

2社の補償額自体は変わらない。差が生まれるのは「その後」だ。椎間板ヘルニアは術後のリハビリ通院が3〜6ヶ月続くことが多く、通院費の累積が大きくなりやすい。日本ペットは「年間限度額(70%プランで700,000円)内であれば、通院・入院・手術の回数・日数制限なし」(出典: 公式サイト)という設計のため、術後の通院費も上限まで補償される。

SBIは通院・入院それぞれ年間上限があるため、術後の長期通院が予想されるケースでは、日本ペットの方が有利になる場面がある。一方、SBIの手術年2回対応は、ダックスフンドで見られる左右の椎間板が別の時期に脱出するケースで有利に機能する可能性がある。

皮膚疾患・股関節形成不全の通院費試算

室内でくつろぐダックスフンド

中型犬の長期通院が必要になりやすい2つの疾患について試算する。

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎):通院12回×6,000円/回

柴犬はアトピー性皮膚炎の好発犬種として知られている。年間12回の通院(月1回程度の定期受診)で計算する。

  • 年間通院費合計: 6,000円×12回=72,000円
  • 70%補償: 72,000円×70%=50,400円の保険金
  • SBI・日本ペットとも補償額は同じ

ただし、SBIは通院の年間上限日数がある(スタンダードプラン)。アトピーは慢性化するため、年間12回を超える通院が必要になった場合、日本ペットのように日数・回数制限がないプランの方が継続通院に対応しやすい。

股関節形成不全の長期通院:通院20回×8,000円/回

コーギーに多い股関節形成不全。保存療法(手術を選ばないケース)では月2〜3回の通院が1〜2年続くこともある。

  • 年間通院費合計: 8,000円×20回=160,000円
  • 70%補償: 160,000円×70%=112,000円の保険金(日数制限がない場合)
  • 日本ペット(制限なし): 112,000円全額補償可
  • SBI(年間上限あり): 上限日数に達した後の通院は自己負担

日本ペットは年間限度額700,000円の範囲内で「通院・入院・手術の回数・日数制限なし」(出典: 公式サイト)という設計が、慢性疾患の長期治療で特に機能する。

0歳から16年間の累計保険料

保険料は毎年変動するため、長期保有コストを把握するには16年累計が参考になる。

保険会社16年累計(70%プラン・中型犬)
e-pet(参考:新規受付停止中)1,330,200円
SBI1,451,520円
日本ペット1,609,920円

出典: 各社公式の月額保険料より計算(0〜15歳各年の月額×12ヶ月の合計)

現在加入可能な2社では、SBIが日本ペットより約158,000円(11%)安い。ただしこの差は、SBIが若齢期(0〜11歳)で安い分が大きく貢献しており、シニア期(12歳以降)ではむしろ日本ペットの方が月額が低い年が続く。

12〜15歳の保険料急騰率を読む

柴犬と飼い主のひととき

保険料の急騰リスクを把握するには、特定の年齢を境にした変化率を見る必要がある。

SBIの変化パターン(中型犬・70%プラン):

  • 11歳: 7,299円/月
  • 12歳: 15,687円/月(前年比+115%
  • 15歳: 22,221円/月(12歳比+42%)

日本ペットの変化パターン(中型犬・70%プラン):

  • 11歳: 10,710円/月
  • 12歳: 13,000円/月(前年比+21%)
  • 14歳: 19,970円/月(12歳比+54%)
  • 15歳: 19,970円/月(変化なし)

SBIは11歳から12歳の間に月額が2倍以上に跳ね上がる設計だ。12歳の時点では日本ペット(13,000円)の方が2,687円/月安くなる。

一方、日本ペットは12歳以降も段階的に上昇し続け、14〜15歳で跳ね上がる。15歳時点では両社の保険料差は約2,250円/月に縮まる。

12歳を境にした選択の変化: 0歳時に加入する場合はSBIの累計コストが安くなるが、8〜9歳以降に新規加入を検討する場合は、シニア期の保険料設計が有利な日本ペットを比較対象に加えることが合理的だ。

犬種別の選び方 — コーギー・柴犬・ダックスフンドで判断軸が変わる

ボーダーコリーのポートレート

中型犬として一般的に扱われる犬種ごとに、選ぶべき保険の条件が変わる。

ペンブロークウェルシュコーギー(体重10〜14kg)

股関節形成不全(CHD)の好発犬種。長期通院が必要なケースが多く、通院の日数・回数制限がない日本ペットが機能しやすい。また、ロコモーション系の疾患は2〜3年にわたる慢性治療に発展することがあるため、日本ペットの「年間限度額内で制限なし」という条件は長期保有で価値が出る。

→ 比較参考: 大型犬のペット保険比較

柴犬(体重7〜11kg)

保険会社によって small_dog / medium_dog 分類が変わる代表的な犬種。SBIと日本ペットでは中型犬として扱われるが、アニコム・アイペット等では小型犬扱いになる可能性がある。保険を選ぶ前に、各社の見積もりで適用される料率区分を確認すること。アトピー性皮膚炎が多い犬種でもあり、慢性疾患管理の観点から通院制限のない日本ペットが選択肢になる。

→ 関連記事: アニコム損害保険のペット保険を約款分析

ダックスフンド(スタンダード、6〜12kg)

椎間板ヘルニアのリスクが突出して高い犬種。手術を複数回要するケースがあり、SBIの「手術は年2回まで対応」が机上では有利に映る。ただし術後の通院が長期化することを考えると、日本ペットの通院制限なし設計もあわせて検討価値がある。

→ アイペットのプランと比較: アイペット損害保険の約款分析

選び方の整理:

  • 若齢期(0〜7歳)に加入し、累計コストを重視するなら→ SBI
  • 長期通院リスクが高い犬種・慢性疾患が心配なら→ 日本ペット
  • 8〜10歳以降に新規加入を検討するなら→ シニア期の月額で日本ペットが競争力を持つ時期があるため要比較

e-petは参考情報として掲載したが、現在新規加入はできない。口コミでは「不担保特約付与に関して信頼を反故にされた気分」(出典: https://inunavi.plan-b.co.jp/e-pet/)という声もあり、加入者保護の観点からも現実的な選択肢から外れている。

比較の起点として: FPC(フリーペットほけん)の約款分析